はじめのいっぽ
学生にピアノを教えてみると、まっっったく初めて、ぜろからのスタートである彼らに、どこから伝えれば良いのか戸惑う自分がいました。
一体自分はいつからどのような段階を踏んで、ピアノと仲良くなっていったのか思い起こさねば、彼らの気持ちが分からないのでした。そしてまた、自分についてのその記憶というのが大変怪しいのでした。
最初からドレミの位置が分かっていたわけではないし、ましてや指に番号があることや、そもそも真ん中のドはどこにあるのかということすら、いつか誰かに教わったのでしょう。
新しい知識や慣れない身体運動に戸惑いながら、一つ一つ長い年月をかけてゆっくり身につけてきたはず。
それを今すぐやってごらんというのは、いくら幼子でなくても酷なハナシ。ではどこからどのように伝えていくのが効率良いのか。
頭を原点に戻す作業が続いています。