声ヨガで歌いやすくなったのはなぜか?

思えば受け口歴36年くらいの自分です。

矯正をやっぱり諦めきれずに、先日歯科で、最後のつもりで精密検査をしたところ、正常咬合の平均と比べてあまりにも下顎から耳までの角度が鋭いために、やらない方が良いだろうという結論になりました。顎骨切りの外科手術をしたとしても、理想に近くのは難しい。それくらいの、あまり周りで見かけないような受け口です。

そんな私が声楽を始めて28年。

その間、歌いやすいと感じたことはありましたが、そういう時は喉が痛かったりどこか無理をしていました。そしてどんなに維持しようとしても、前の状態に戻るのも早かったです。

それがここ数日、自分しか気づかないようなささやかな変化によって、歌いやすく、かつ無理をしないで歌える感じが出てきました。

一体それは何なのか??

実は、ここ半月ほど、声ヨガの講座を開講するにあたり自分も毎日声ヨガのトレーニングをしてきました。

舌を出したり動かす、口角を上げる、表情筋を動かす、肩甲骨周りのストレッチ、呼吸など。歌の練習についてはハミングや呼吸の練習以外は、毎日フルで歌ったわけではありません。

そしてここ数日間歌ってみると、自分でもびっくりしたのですが前と比べて歌いやすくなっていました。

まずは舌で頭を支えている感じがわかってきました。

これまで、私の舌は力がなく下顎にあったのですが(低位舌)、舌の力がつくことで、歌いながら舌で頭部や頸椎を支え、それにより頭頂部が上前に少し引っ張られている感覚、または顎を引いた感覚、または上顎が下顎よりも主役になっている感覚、になりました。おお、正常咬合だと自然とこうなるのか?と思いました。

次に、例えば「SA(さ)」という発音時、これまではどちらかというと下顎に落ち、息に無駄が多くて響きになっていなかったという感覚がありました。そしてかなりの受け口のために上前歯と下前歯に数ミリの隙間があるので摩擦音であるSが息漏れ音になっていました。

それが声ヨガのトレーニングを積極的に行ってからは、「S」がより上唇のあたりと上顎で言える、発音に鋭さが増しクリアなSになった、「A」の時に下顎で「あ」を作ろうとしないで上顎を使って言える、「SA」発語時に下顎が落ちない。息がへそ下から送り込まれて軟口蓋まで届く感覚、体幹がブレない。

ということを感じました。

また、これまでは息継ぎの時に体、特に腰を緩めようとして胸が落ちていたように感じるのですが、歌っていて要所要所で舌で頭部を支えることができていると、特に姿勢を大きく変えなくても息継ぎができる感じがありました。

このような変化、これは自分にしか分からないのかもしれないと思ったのですが、今日のレッスンで声楽の先生にも「よくなった」とお褒めの言葉をいただけました。緊張して硬くなりがちな体を緩めながら効率よく使い、母音に吐く息を乗せてより響く音にすることができたからだと思います。

この私の人体実験によると声楽における声ヨガは、

・舌と唇の力をつけることができる

・鼻腔・軟口蓋など上顎が使いやすくなる

・舌の動きがより柔軟&強力になることで頭部や頸椎を支える助けになる

・息が効率よく使えるようになる

・口角を上げるなどの表情筋の運動により、様々な発語時に無意識に発語に伴う筋肉が動いてくれる

ということを感じています。

声楽に限らず、

・舌の位置がいつも下顎にあると言われる方

・受け口または受け口気味の方

・姿勢が保てず胸が落ちて下顎が出がちな方

・それらに伴い口呼吸の方

そんな方に、声ヨガを続けることで変化を感じていただけると思います。

私は低位舌を直すために、過去に歯科で舌のトレーニングも教わりました。それもとても大切でしたが、声ヨガの良さはそれらのトレーニングを「楽しんでできる」ということなのではないでしょうか。笑いながら、体を動かしながら、声を出しながら、舌と口を鍛えたり呼吸を深めたり。飽きないし、気持ちが良いし、ついやってしまう。

これは声ヨガの宣伝ということではなく、私が数十年に渡り悩んできたことの一つの答えを記したものです。それなら自分も試してみようかなと思っていただけたら嬉しいです。もしかしたらあなたに効果はないかもしれないけど、あるかもしれない。でも長年相当悩んで調べてきた私が感じたことなので恐らく、ある程度の効果があると思います。もしよかったら「声ヨガ」やってみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です