みんな最初は。

こどもがゴクゴクと飲む20分間の授乳中に、ふと思ったことがある。

みんな最初はこうだった。

みんなお腹の中で育ち、この世に生まれ、まだ未熟な者として、それがどんな環境だったかは個々に違うにしろ、おっぱいやミルクを飲んで育つ。

そして、いまどれだけ脚光を浴びている人も、どん底にいる人も、みんなお母さんがいきんで産み落とした。そこに愛があったかなかったか、は一概に言えないけれど、少なくとも1人出産した今は、産み落とすあの瞬間にだけは、誰しも一瞬の愛情はあったのではと信じたい。

これは私の場合だけれど、壮絶な痛みと勢いの中で、この子を産まなければならないー出すしかないー頑張って出てきて!ーと思いながら、いきみ続けた。

いきんだからって、そんなすぐに出てきてはくれない。痛みで汗をかいて朦朧とする中、何度も繰り返す。その時間に感じたのは、この子が生きるなら私は死んでもいい、という本能。あれは動物の本能だったんだろうか。

みんな最初は愛されて生まれてきたと、思いたい。