夢を叶えるということ
先日、夫が興奮して「あるんだけど!!」と子どもが寝ているところに飛び込んできた。「しー!!」といいつつ聞くと、何やら当日出発の北斗星のチケットがあるらしい。1ヶ月前予約は毎回1分、いや数十秒でものの見事に完売だったので半ば諦めていた様子。そこへ当日の空き発見。
でも、なんだか迷っている模様。
結婚してから何度も何度も聞かされた、北斗星に乗りたいんだよねー!という夢。
それが目の前をスローモーションで通り過ぎようとしているように、私には見えた。今行かずしていつ行けるのか。「いけいけー!とっちゃえ!」とお尻を叩いた!
う、う、いいのか、、、えいやっ!とチケットを取った夫は、その日の夕方仕事道具と共に旅立った。うきうきしすぎてお尻がじりじりしてる感じで。
上野発札幌行き。北斗星は青く趣のある昭和の列車。車内の様子の逐一の報告に
私まで旅をしている感覚になる。
ふと、さっきまで「乗りたいなぁ」と憧れの存在だったものに、今「乗っている」のだ、と実感した。夢が叶ったのだ。
乗りたいなぁ、だけだったらいつまでもそのまま。でも、ぱっとチャンスの前髪を掴んだことで、無理な日程だったかもしれないが、夢を叶えることができた。
札幌までの旅路はとてもとても楽しそうで、携帯越しの私にも、車輪の音、風の音、車内の匂い、人の声、、その全てが心に刻まれていくような、1秒ずつがかけがえのない時間になっているように感じられた。
「やりたいことをやる」と書くとわがままのような、やるべきことをやってからやること、のような感じがなんとなくあったのだけれど。この旅を見ていて、現実にはやりたいことだけ並べたら一生がめちゃめちゃ充実するんではないか、と思ったのだった。
やりたくないことをやらない、それだけでも大分違うと思うし、それは遠い先のことではなく、今実現可能な、本当に自分が動くだけで可能なことなんだと知った。
尻を叩いたのはわたしだけれど、行動して見せてくれたのは夫。夢を持つこと、それを掴むことの鮮やかな喜びを見せてくれてありがとう。